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ものであり、その流れは決して後戻りするここはありません。
たこえば機械は、電気やガソリンなどのエネルギーを与えれば動きますし、壊れた部品も取り替えるここができしかし生命には、分子レベルでの絶えざる再生運動が伴いますから、後戻りはできませんし、臓器移植にしても部分的に時間の流れを停止させて手術しているだけで、全体を停止させた場合には、確実に死を招くことになります。
地球の環境と生命は、同じ分子を共有しながら、それをおたがいに入れ替えることで共存しています。
つまり炭素や窒素や酸素を構成する分子が、生命の体内組織の一部となって、環境との間を行ったり来たりしながら、時間の流れのなかでの生命活動の継続こそが、”生きている”ということの実態なのです。
そうした物質の環境と生命との交換の流れが停止したとき、生命は死を迎えます。
だから私たち人間という生命は、タンパク質を食べ続けなければならないのです。
そしてタンパク質は、植物が長い時間をかけて作り出したものか、動物そのものからしかえられません。
また、こうしたタンパク質を摂り続けるための仕組みは、私たちの神経系統にも、味覚という形でたくみに組みこまれています。
栄養化学者・Hさんによれば、ダシがおいしいのは、生きるために必要なアミノ酸が、そこにふくまれているからで、人間がダシにこだわるのは、生命を維持するのに都合のいい成分がふくまれているためだといいます。
そして細胞にとって完全な栄養素が、心地よい味覚を持つのは、私たちの食べ物が生命体だからだ、という重要な指摘をしています。
つまりグルタミン酸・イノシン酸などのアミノ酸がおいしいのは、生きるために必要な栄養素だからなのです。
きらに人間は、長い歴史のなかで、生きるためだけでなく、味覚を楽しむという文化を生み出しました。
これは道具を使いこなすことで可能となりましたが、それこそが料理の本質なのです。
もちろん料理には、安全・保存という目的もありますが、食料が安定した段階からは、精神面に連なる文化的要素が、しだいに重視されるようになったことに注目すべきでしょう。
さて現在でこそ、地球上の動植物の頂点に立つ人類ですが、それまでの過程は簡単ではありませんでした。
まず高等霊長類である原類猿が生まれたのは、三四○○万年前ごろだとされています。
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